以前胡桃をたくさん頂き、思い出深いスイスのお菓子があるという記事を書きました。
仕込み終わりました。 週末に出す予定です。 スイス南東部の胡桃の産地、エンガディン地方の伝統菓子です。 スイスは、ずっと前にイタリアへ行った際、コモ湖から綺麗な山を眺めただけで、 行ったこともなければ、スイスのお菓子もちゃんと知らなかったのですが、 唯一、スイスのお菓子エンガディーナとは社会人になってすぐに出会い、 はじめてのスイスのお菓子に触れ、感動したのでした。 今では少しずつ受け入れられているマイナー菓子と言われる欧州の伝統菓子たちのひとつ。 お菓子屋修行時代、初めに勤めたところが欧風菓子と名の付く老舗のお菓子屋さん。 そのころの流行は、フランスの流れを日本風にアレンジしたような、 食感は柔らかく、甘さ控えめ、見た目も華やかなキラキラした宝石のようなお菓子、 もしくはカフェで出すアメリカンスウィーツのようなお菓子が出始めていたような気がします。 それに比べ、南青山という場所だけで選んだはじめての勤め先の地味な事。 ほとんどが茶色い色のお菓子ばかりで、しっかり甘く、ずっしりと重い、 お店の作りも重厚な茶色く使い古された雰囲気のつくり。 いま思えば、高価なアンティークの什器に素敵にディスプレイされたお菓子たち、 というかっこいい雰囲気だったのですが。 そのころは流行に乗ったパティスリーと名の付くお店に勤めている友人達を羨ましく思ったものでした。 毎日のように何十個と作っていたエンガディーナ。 クッキー生地を型に敷き、両手をめいいっぱい広げたくらいの大きさの銅ナベで しっかりと焦がしたビターなヌガーをつくり、ローストした胡桃を10キロほど入れ冷まし、 型に入れ、もう一度クッキー生地をかぶせ、綺麗に模様をつけしっかり焼くのです。 はじめて食べたときの感動は今でも忘れません。 胡桃をこんなに美味しくたくさん食べた事が無かった私は、 そのころから伝統菓子というものに興味を持ちはじめたように思います。 しかし、若く浅はかだった私は、たくさんの伝統菓子を習得することなく、 流行に負け、新たな職場へと向かったのでした。 その選択があっていまの自分があるので、後悔はしませんが、 いま、あらためて伝統菓子に興味を持ち始めている自分にとって、 少しほろ苦い思い出と共にあるエンガディーナです。 国産胡桃と岩木山養蜂のアカシヤハチミツを使って ジルチ風にアレンジしたエンガディーナをぜひお試しください
by cafezilch
| 2010-04-15 20:54
| 日々
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